スランプを自己解決する方法を考える(神頼み編)


約1週間ほど前、伊勢神宮に行ってきた。

日本各地にはいたる所に神社があるが、伊勢神宮はその中で最も格式の高いものになる。そのため、季節問わず多くの参拝客で溢れかえっており、個人的にも年に一回程度のペースで参拝している。

この神社参拝とスランプ解消の関係について、個人的に思うところがあるのでここに書き残しておきたいと思う。


伊勢神宮との出会い



伊勢神宮との出会いは2012年のことである。この年は人類滅亡をささやくマヤの予言が話題になった年で、伊勢神宮にとっては式年遷宮のちょうど1年前に当たる。

この年、僕は東海地方にて非正規雇用で働いており、その会社の社員寮を根城にしていた。当時は住環境が悪く、古めのアパートの一室に数人が詰められるような形で部屋割りがされていたため、疲れた身体を癒やすには不向きな場所であった。

また、少しオカルトチックな話になるが、そこに住み始めてからというもの毎晩のように金縛りにあうようになった。その原因については未だに不明だが、数年前にその部屋で人が死んだというようなキナ臭い噂もあった。

だが、そのときは生活費を稼ぐ必要があったため、辞めるわけにはいかずにしぶしぶ日々のルーチンを消化していた。たしか当時は金縛りは日々の話のネタになるし、時間が経てばやがて無くなるだろうと軽い感じで捉えていたと思う。

しかし、日を追うごとに金縛りを始め、コップが勝手に倒れるなどの怪現象が頻発するようになり、仕事上では大小様々なミスを起こし、プライベートでもよくトラブルに巻き込まれるようになった。いわゆるスランプ状態である。

流石に潮時かとも思ったが、その頃にたまたま伊勢神宮の話が耳に入ったので、せっかくだからと伊勢に一人旅に出ることにした。ちなみに東海地方は伊勢へのアクセスがよく、名古屋駅から日帰りで行くことができる。

その頃は、遠方の神社にわざわざ出向くような性格ではなかったが、いざ神社参拝の旅に出てみるとそれだけでなんだか清々しかった。ちなみに伊勢神宮は外宮と内宮に分かれており、まずは外宮から参拝するという習わしがある。

自分もその習わしに従って外宮から参拝することにした。初めての伊勢は神前を意識した町づくりを見ながら歩くだけでワクワクしたが、外宮の境内に足を踏み入れると、それだけで雰囲気の違いを感じる。

一言でいえば「清々しい」といったところか。その時は5月でそこそこ暑い日だったが、境内では嫌な暑さは感じない。気のせいかも知れないが心身の穢れが現れるような気がした。

外宮への参拝が済むと、バスで内宮に向かう。内宮も外宮と同じく境内にいると清々しい気分になる。また、その時は参拝の他にお祓いを受けることにした。料金は5000円~とまあまあするのだが、人生の勉強代と考えれば安いものである。

なお、お祓いは内宮の神楽殿という場所で受けることができる。申込みは受付で申込用紙に名前・住所などを書き、呼ばれるまで待合所で待つ。自分の番が来ると神楽殿に呼ばれて中で祝詞が唱えられるなどの儀式が行われる。

一連の儀式が終わると御札と神饌が入った袋を受け取って終了となる。この袋の中身は祈祷の種類によって多分異なる。僕は除災招福の一番下の祈祷を受けたが、袋の中身は剣祓という御札と、米・海産物の干物・塩といった内容だった。

こんな感じで内宮への参拝が済むと、近くのおはらい町で赤福を食べたりなど周辺を観光して日帰りで帰路に就いた。

自室に戻ってから気づいたのだが、御札というものは正式には神棚に祀るものなのだという。しかし、その時は退社までの仮宿を住まいにしていたので、神棚を設けるスペースなど無い。そこで、とりあえず両面テープで壁に貼り付けておいた。

すると、その日から今までの怪現象が一切なくなり、日を追うごとに周囲のトラブルの種が次々と淘汰されていった。また、自身の生活も変わり、日々の生活を有意義に過ごせるようになったと思う。

これが神の力によるものかは不明だが、それからというもの毎年のように伊勢神宮へ参拝するようになった。また、住まいを変えて以降も御札を壁に貼るようにしているのだが、今のところ大きなトラブルに見舞われていない。

よって、スランプ解消の一つの方法として「神頼み」という手段も個人的にはアリだと考えている。

2018年の伊勢参拝


伊勢市駅前

2012年の参拝から、多忙だった2016年を覗いて毎年1回のペースで必ず参拝している。2018年現在、ただいまスランプの渦中にいるので、ちょうど良いタイミングだと思って今年も参拝することにした。

伊勢への旅行は慣れっこになっているので、今年は交通費の安い鈍行でまったりと向かうことにした。まずは伊勢市駅で下車し、外宮周辺の関連社から参拝を始める。なお、伊勢の関連社には日本神話における三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)のうち、アマテラス(日の神)とツクヨミ(月の神)が祀られている。

月夜見宮

伊勢市駅の近くには月夜見宮というツクヨミを祀った神社があるのでここから参拝することにした。伊勢の関連社は神明造という独特な建築様式になっており、塗装のない白木仕様に萱葺屋根といった美しい建物となっている。また、どの社も遷宮(決められた年数で新築移転を行うこと)が行われるので、建て替え直後はさらに美しく見える。

外宮

月夜見宮の次に外宮に参拝する。相変わらず、境内は何故か涼しくて歩くだけで清々しい気分になる。外宮には食糧や産業を司るトヨウケノオオカミが祀られているため、外宮に関してはそういう祈願をする人が多いという。なお、外宮の境内には正宮(本社)の他にも様々な社があるので、一通り回ってみるのが良いと思う。

伊勢まぶし

また、外宮の祭神が食糧神という点にちなんで周辺には飲食店も多い。外宮周辺においては生しらす丼や伊勢まぶしが個人的にオススメ。生しらす丼は新鮮な生しらすの濃厚な味が味わえ、伊勢まぶしは鰻高騰のご時世に比較的安価で肉厚のウナギが味わえる。

外宮から内宮に向かうには外宮前から出ているバスを使う。ちなみにバス停は、猿田彦神社(300円)・神宮会館前(340円)・内宮前(430円)といった順にあるが、猿田彦神社で降りても内宮まではおはらい町を通り過ぎる程度しか距離がないので、個人的に猿田彦神社で降りた方がお得な気がする。

五十鈴川

バス停で降りると、まずは内宮から参拝する。神社参拝といえば、まずは手水をして身を清めてから本社に参拝するといった流れになるが、内宮については境内に流れる五十鈴川で手水をするという方法もある(古くはここで手水をしていたらしい)。

内宮

手水の後は正宮を始めとする境内の社を一通り回る。毎回思うのだが、内宮の境内は他とは一味違って、荷物を背負っていても何故か肩が軽くなり、身体がジンジンとする得も言えない力を感じるのだが、自分だけだろうか?そんなこんなで参拝を終えると、次は隣接するおはらい町・おかげ横丁に向かう。

おかげ横丁

おはらい町・おかげ横丁では、様々な伊勢の名産品や伊勢名物の赤福などを食べ歩くことができる(価格帯は高めだが…)。また、土産物も充実しているので見回るだけで結構楽しい。ちなみにおかげ横丁のATMを利用すると明細票におみくじがついており、大吉が出れば赤福が貰えたりするらしい。

猿田彦神社

内宮の次は猿田彦神社に参拝する。この神社に祀られている神のサルタヒコは「みちひらきの神」と呼ばれており、新しいことを始める時に参拝すると道案内をしてくれると言われている。また、境内にはサルタヒコの妻で芸能の神として知られるアメノウズメを祀る佐瑠女神社があるので、芸能関係の祈願はここですると良いらしい。

なお、伊勢神宮にはおみくじが無いので、伊勢でおみくじを引きたいなら猿田彦神社で引くことをオススメする(道案内の神を祀るという意味合いでも験担ぎに筋が通っているため)。ちなみにこのスランプ真っ只中の僕がここでおみくじを引いたところ「大吉」と出た(思うこと思うがままに進む?…ホンマかいな)。

月読宮

猿田彦神社への参拝を終えると、帰るために五十鈴川駅の方に向かう。でも、帰るまえに寄っていきたいのが月読宮である。ここにはツクヨミとそのアラミタマ、他に三貴子の父母であるイザナギ・イザナミが祀られている。なぜ、伊勢両宮のそれぞれにツクヨミを祀る社があるのかは不明だが、五十鈴川駅から近い場所にあるのでぜひ寄って欲しい神社である。

こんな感じで一連の参拝を終えて帰宅して、今は1週間ほど経ったワケだが未だにスランプは解消されていない。しかし、原因と結果という因果関係において、このスランプの原因は自分の行動に帰結するため、結局は自分自身を見つめ直して行動を変えていくのがスランプ解消の根本的な解決法なのだろう。

ただ、この「神頼み」という方法は、自分自身を見つめ直す良いキッカケにはなると思う。

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