パチンコ・パチスロ依存症になってみた結果(要因編)


現在、僕は深刻なパチンコ・パチスロ依存症に陥っている。

ホールに行かなければ解決できる一見簡単な問題なのだが、日常生活の中で強烈な遊戯衝動に駆られ、いつの間にか台の前に座ってプレイし始めている。しかも、敗色濃厚なのにも関わらず、球やコインの投資が止まらない…といった状態である。

流石にこのまま金と時間の投資を続けていても無意義だということは分かっているので、いつかは脱却しなければとは思っているもののなかなか踏ん切りがつかない。そこで、とりあえずこの現状を文字に起こして客観的に分析してみたいと思う。


依存するまでの経緯


まずは自分自身がいかにしてパチンコ・パチスロに依存していったのかを振り返って見ようと思う。

依存前


僕は元々はパチンコ・パチスロの反対論者だった。その理由は、毎月の給料をゲーム機なんかに投資して生活苦に陥っている連中の姿が滑稽に見えていたからである。それでも1パチ5スロでたしなむ程度にはプレイしていた。

そんな中、4パチ20スロに依存している友人から借金を頼まれることが多くなった。最初は給料日に返済することを条件に1万円程度貸していたのだが、月を追うごとにその頻度は増していく。

当然、口頭で注意や説得をしても止めようとする気配がない。僕は交渉事なんかでの説得力には自身がある方だが、パチンコ・パチスロ依存に関しては一度たりとも説得に成功したことはない。

その理由について考えた時に"自分が依存したことがないから説得力が無かったのだろう"と思ったが、その時は特に深く考えずにパチンコ・パチスロに依存していく友人を横目で見守ることしかできなかった。

依存初期


僕は絵や文章などの創作をすることが多いのだが、その発想に煮詰まると色々なことをして気晴らしをする。その手段にはパチンコ・パチスロも含まれるわけで、低貸専門で勝っても負けても少額だったので今までは特に気に留めることもなかった。

そんな中、ホールでGANTZのパチンコ台を見つけた。自分の好きなコンテンツだったのでダメ元で打ち始めてみたのだが、たまたま低投資で当たって一撃で1万発以上も出玉を獲得したので、気持ちよく換金して帰宅した。

なお、GANTZの台には小当たりラッシュという機能があり、その出玉感と音楽には中毒性がある。そのため、しばらくはその感覚が頭から離れず、その数日後には再びホールに足を運んでしまっていた。

そして、また同じ台を打つとまた同じ感じで当たりを引き、その日も万発以上を獲得して帰ることができた。このときには既に中毒が始まっており、次もまた同じ台を打つ。このときは万発には届かなかったものの勝利を収めて帰ることができた。

そのままホールに通うにようなり、たしか日を変えて訪れること7連勝ぐらいしたと思う。気分的には「自分に"敗北"という二文字は無い」といった感覚で、勝利を確信してホールに向かうようになっていた。

依存中期


GANTZから始まった大勝も長くは続かず、しばらくは負けが続くようになっていた。この頃はホールに向かう頻度に加えて投資金額も今までの2倍3倍に膨れ上がっていた。それでも勝てず、パチンコの勝敗で頭がいっぱいになっていた。

それからというもの、攻略サイトやYoutubeで台の仕様について調べるようになり、相性の良い台を求めて様々な台を打つようになった。なお、このときには当初の"創作活動の気晴らし"という目的はそっちのけになってしまっていた。

そんな中、GANTZに変わる中毒性の高いパチンコ台と出会ってしまう。それはサイボーグ009の台で継続率90%とうたわれる高継続率の機種である。これをたまたま打った時に初打ちで30連チャン2万発オーバーを叩き出してしまったのだ。

また、翌日に別のホールでこれを見つけてそのときも同じく2万発オーバーを叩き出してしまった。よって、再び自分の中に「"敗北"という二文字は無い」といった感覚が蘇ってしまう。

当然、さらにホールに向かう頻度は多くなり、噂に聞くダンバインの台でも万発オーバーの大勝を収めてしまうのだが、こんな大勝が長くわけもなく、日を追うごとに収支は右肩下がりになっていった。

なお、このときには既に自分がパチンコに依存してしまっていることを自覚していたので、一応 日々の収支や台の傾向性などをエクセルにまとめるようにして、投資を自制するように心掛けていた。

依存末期


先の大勝からしばらく負け続け、そろそろ収支がマイナス域になろうかとした矢先のこと、志向を変えてパチスロに手を出すことにした。この頃はパチスロの経験はほとんどなかったが、いつもパチスロは稼働率高めなので少なからず興味はあった。

そもそもパチスロにはDDTと呼ばれる小役の取りこぼしの無い打ち方があるらしい。これは台の横に設置されている説明書に書かれているのだが、初打ちの時はこの簡単な目押しですらミスを連発する。

このとき打ったのは攻殻機動隊2ndGIGのスロット台だったのだが、そもそも自分が大好きなコンテンツだったので、スロットの練習という感覚でダメ元で打ち始めてみたのだが、この日はわけも分からず4000枚近くの出玉を獲得できた。

さらに次週の週末にも3000枚、2500枚と打てば打つほど大勝できたので、ここでも「自分はパチスロに向いている」といった感覚になり、それ以来はパチンコを辞めてスロットばかり打つようになった。

それからというもの、パチンコと同様に同じ機種ばかり打つものの大勝は長くは続かずに色々な機種に手を出すようになる。AタイプやATタイプの機種も打ってみたが、結局A+ARTタイプの台に落ち着き、しばらくは浮き沈みする収支となった。

そこで攻殻機動隊2ndGIGに絞って打つことにしてみると、その月は収支が大幅にプラス域となる結果を収めることができたので、これを相性の良い台と思ってしばらく打つことにした。

なお、このときは仕事でストレスが溜まることが多く、トラブルがあった日には仕事帰りに必ずホールに向かうようになった。また、月曜日を迎えるのが嫌で休日も打つことが多かったので、結局ほぼ毎日ホールに通うような生活になってしまう。

加えてマイスロというアプリを始めて台をカスタマイズして打つ楽しみを覚えたので、さらにプレイへの執着心が加速する。しかし、毎日のように通って勝ち続けることは容易ではなく、大幅なマイナス域の収支を抱えて現在に至る。

とはいえ、まだ小遣い程度のマイナスで済んでいるので生活苦に陥る不安はないのだが、これが4パチ20スロだっと思うとゾッとする。また、この文章を書いて自分が深刻な依存症なのだと改めて自覚することになった。

依存する要因


パチンコ・パチスロ依存について、自分の経験や人の意見から考えられる要因をあげてみようと思う。

日常生活に刺激的なことがない



今まで色々な職場を転々としてきたが、どの職場にも一定の割合でパチンコ・パチスロに依存している人たちがいる。僕は彼らと出会うと決まって依存する理由を聞くのだが、その多くは「他にやることがないから」と答える。

そんなとき、様々な趣味を提案して勧めてみるのだが、大抵「面倒くさい」「自分にはムリ」と一蹴されてしまう。中には「君は多趣味で羨ましい」という意見を言う人もいた。

また、ホールに通っていると、年金暮らしであろう老人や、主婦と思われるオバサン、定年を迎えて間もないであろうオッサンが必死な形相でプレイしている姿をよく見かける。そんな姿を見て「きっと、暇に耐えられないのだろう」と思う。

こうした経験から察するに、パチンコ・パチスロに依存する原因の一つは「日常生活に刺激的なことがない(暇に耐えられない)」からであると考えることができ、これについては解決策も考えられるような気がする。

日常生活にストレスの溜まることが多い



人はストレスを抱えると、それを何らかの方法で発散しようとするものである。その方法にはいくつかあるが、とりわけパチンコ・パチスロはストレス発散の効能が高いと思われる。

その理由は「勝っても負けても強烈な感情の起伏が発生する」からである。プレイしたことある人なら分かるだろうが、どの台でも当たっている時は刺激的な映像と音楽が流れる反面、当たっていない時は静かなものである。

プレイヤーもこれに呼応するように当たりを引けば喜びの感情が発生し、全く当たらなければ怒りの感情が発生する。プレイを終えた頃にはいずれにせよ、感情的なストレスの発散はできていると思う。

また、ホール自体も身近な場所に立地しており、営業時間も長く、安価でプレイできるため、この感情の起伏をインスタントに引き起こすにはうってつけなのである。よって、僕のようにストレス発散を目的に依存していく人も多いと思われる。

日常的に小銭が稼ぎたいと思っている



自分の月収に不満がある人など、日常的に「小銭を稼ぎたい」と思っている人も多いのではないかと思う。

副業で現代社会においてはネットを使った副業なんかも多くあるのだが、それなりに収入にするには時間と労力がかかる。また、本業とは別にバイトを始めたとしても、それはそれで心身に負担がかかって長く続けるのは難しい。

そんなときにすぐに考えつくのがギャンブルである。その中でもパチンコ・パチスロはとりわけ手が出しやすい。そこであぶく銭を求めてプレイし始めて、気づいたときには依存しているといったケースは多いのではないだろうか?

僕が依存している要因の一つもこれだし、依存している人の話を聞いてもやはり小銭稼ぎを目的としている人が多い。

身近な人に誘われる



家族・友人・恋人など周りにパチンコ・パチスロ依存の人がいると、何かと連れ打ちに誘われることが多い。そんなときに大勝すれば、途端に依存してしまう人もいることだろう。

依存している女性に話を聞くと「彼氏に勧められた」という答えが返ってくることが多い。また、そうした経緯で依存してしまった女性が友達を誘って依存させてしまうといったケースもあるようだ。

不意に大勝してしまった



ギャンブルにはビギナーズラックが付きもので、経験が浅い人ほど大勝することが多いなどと言われることがある。経験上、僕自身も初打ちで大勝することが多く、打ち込めば打ち込むほど負けが込んでいくという傾向にある。

この原因は運勢的なものか店の策略なのかは定かではないが、往々にして「大勝した経験」が依存への契機になっていることが多い。なお、経験豊富な人ほど負けている傾向にあるので、個人的に初心者には勝ち逃げをオススメしたい。

台そのものに依存性がある



多くのパチンコ・パチスロ台は、当選するとそれを知らせる過激な映像と効果音が発生する仕様になっている。個人的にはこの演出自体が依存性をもたらす要因になっていると考えている。

そもそもホールの客は耳栓をしていることが多い。以前は当たったときの刺激的な効果音を求めて来店しているのにもかかわらず、耳を塞いでいることに矛盾を感じていたが、慣れてくるといちいちうるさいことに気づく。

パチンコは分煙ボードである程度カットできるが、スロットには仕切りがないのでうるさくてかなわない。しかし、自分がプレイしている台が大当りしたときの効果音については不快ではなく、むしろ爽快である。

また、大勝して繰り返し効果音を聞いて帰れた日には、ホールを出てから数時間はその音が耳から離れない。加えて過激な光を発する映像も脳裏に焼き付き、翌朝以降も残存していることもある。

その後、数日経つとまたその刺激が欲しくなる。そのため、Youtubeで大当たりシーンや大当たり中の曲を検索するようになり、気づけば再びホールに向かって遊戯してしまっていることが多い。

詳しく分析したわけではないが、きっと台の過激な映像や効果音には脳内にドーパミンなどの快楽物質を誘発させる効果があるのだろう。ちなみに某大手SNSの依存性はボタンの効果音がドーパミンを発生させることにあるといわれている。

よって、台の過激な演出には麻薬のような効果があり、どうしてもやめられないプレイヤーはこの麻薬にどっぷりと依存している状態にあると考えられる。なお、個人的には酒や煙草のようなものだと思っている。

備考


文章にまとめてみた感想


こうして自分自身が依存していく経緯を文章に起こしてみると、改めて自分が愚かであること自覚できる。自分を客観的に見て愚かなことを明確に自覚すれば、自分の生活を見直すことのキッカケになるかもしれない。そのため、パチンコ・パチスロ依存に悩んでいる人にはぜひやってみて欲しい。

これは自己否定をする行為なので、やり始めても筆が進まないかも知れない。しかし、「良薬口に苦し」ということわざの通り、この苦痛がやがて依存の解消につながるかもしれないし、自分自身を見つめ直すことで解決につながる何かが発見できるかも知れない。

自分にとっては、こうして実際に依存してみることで、今までは分からなかったパチンコ・パチスロ依存の症状が感覚として体感できている。すなわち、ここから自分が脱却することができれば、この依存症から抜け出せるということが実証できるわけだし、そのための具体的な方策を編み出すことができるかもしれない。そうなれば、こうした経験もムダにはならないと思う。

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