パチンコ・パチスロ依存症になってみた結果(分析編)


以前の記事の通り、今の僕は深刻なパチンコ・パチスロ依存症である。

そこで、今回はパチンコ・スロットの遊戯性や時間効率といった点にスポットを当てて、プレイにハマってしまう原因やプレイする上でのメリット・デメリットなどを分析・考察していこうと思う。


パチンコ・スロットについて


まずはパチンコ・スロットの特性についてまとめてみようと思う。

パチンコ



パチンコの遊戯性


「パチンコはハンドルを捻って穴に玉を入れるゲーム」

パチンコは、ハンドルを捻って玉を打ち出していくゲームで、通常時はスタートチャッカー(ヘソ)に玉を入れることで大当たりが抽選され、大当たり中はアタッカーに玉を入れることで出玉が払い出される。なお、現行のパチンコ台はデジパチ・ハネモノ・デジハネという種類に分類される。

デジパチは、玉をヘソに入れることで台にプログラムされた確率で大当たりが抽選され、デジタル画面には大当たりの期待度に応じた演出が表示されるようになっている。大当たりには通常と確率変動(確変・ラッシュ)の二種類があり、確変時には電サポ(電チュー)という部分が開放されて、通常時よりも高い確率で抽選を受けられるようになる。なお、現行台の通常大当たりは出玉が少なく設定されているため、大勝するには確変で連チャンしなければ話にならない仕様になっている。

ハネモノは、玉をV入賞口に入れることで大当たりするという台で、デジパチのようにヘソを経由した大当たり抽選を受ける必要はないが、そのぶんV入賞口まで玉を運ぶことが困難となっている。見た目で大当たりが分かるようになっており、デジパチと比べて大当たり時の出玉も多くなっているが、基本的には確変機能はついていない。そのため一発台などとも呼ばれ、一発当てればそれだけで大勝できる台も存在するが、基本的には大当たり率および継続率が悪い仕様になっている。

デジハネは、デジパチとハネモノが合わさったような台で、デジパチと同じ形で大当たりを獲得するとハネモノのV入賞口を狙う権利を得られるもの、あるいはその逆といった仕様になっているものがある。いずれにせよ確変機能がついており、出玉はデジパチと同等程度の設定になっている。

パチンコの時間効率


「パチンコは当たれば早い」

パチンコ台の主流となっているデジパチにおいては、初当たり確率が甘デジ(約1/99)<ライトミドル(約1/200)<ミドル(1/319)といった順で軽くなっており、出玉効率はその逆となっている。

台によって仕様がそれぞれ異なるが、ミドルにおける現行機種の最大獲得玉数は2400発で、さらに小当たりラッシュ(確変中に玉が増える)という機能が付いた機種が流行っているので、出玉効率は良い機種ならば一万発を獲得するのに1時間もかからなかったりする。反面、ライトミドルや甘デジは一万発獲得するのに時間がかかり、継続率も悪い傾向にある。

いずれにせよ、パチンコにはスロットのような設定・天井・ゾーンといった概念は無いといわれているので、大当たりが終わったらいつでも止められることになる。そのため、仕事帰りなどの短い時間でも出玉を取り残すような事態に陥るケースは少ない(ただし、潜伏確変機能を持つ機種も存在するので、ヤメ時などはググって調べておいたほうがよい)。

スロットとの比較


「パチンコは目押し不要で簡単」

パチンコは、基本的にハンドルを捻って指定された場所を狙うだけで成立するので、スロットのように目押しなんかの技術は全く必要ない。そのため、老人でも簡単にプレイできるシンプルな遊戯性になっている。

しかし、パチンコはスロットのような天井といった概念が設けられていない。そのため、ひどい場合は表示確率の5倍~10倍もハマっている台を目にすることもある。また、基本的には釘調整が行われているので、思うように玉がヘソに入らなかったり、確変中もスルーに玉が通らずに打てば打つほど出玉が減るようになっていることが多い。

よって、通常時の保留3個止めや、右打ち中の止め打ちなんかをしてムダ玉を減らさなければ出玉を上手く確保できないわけだが、これを知らずに打ちっぱなしにしている人は多い。また、店側も止め打ち禁止というルールを設けることが多くなったので、最近ではこうした技術介入で出玉を稼ぐことも難しくなっているようだ。

スロット



スロットの遊戯性


「スロットはメダルを入れてレバーを叩いて図柄を揃えるゲーム」

スロットは、メダルを入れてレバーを叩き、3本のリールの図柄を止めるといったゲームで、止まった図柄の成立役によってメダルの払い出しや、大当たりの抽選が受けられる仕様になっている。なお、現行のスロット台はAタイプ・ATタイプ、ARTタイプ、A+ARTタイプといった種類に分類されており、いずれも大当たり時には特定図柄の目押しが必要になる。

Aタイプ(ノーマル)は、ボーナスだけで出玉を増やしていく機種のことで、ボーナス中は規定枚数の払い出しを終えるまで約10枚程度の払い出しのある小役が成立し続ける。ボーナスにはBB(ビッグ)とRB(レギュラー)という概念があり、BBで約300枚程度、RBで約100枚程度の払い出しが受けられる。また、機種によってはリプレイ確率の高まるRT(リプレイタイム)という機能が搭載されていることもあるが、基本的には通常時にはメダルが減り続ける仕様になっている。

ATタイプは、大当たりすると規定ゲーム数の間にベルの押し順ナビが表示されるようになるもので、この規定ゲーム数を増やせば増やすほど獲得枚数が増えていくというものになる。ATタイプは純増(純粋に増える枚数)が高めで、1Gあたり3.0枚以上となっているものが多い。しかし、Aタイプと違ってメダルを獲得するまでに時間がかかるようになっている。

ARTタイプは、大当たりすると規定ゲーム数の間にベルとリプレイの押し順ナビが表示されるようになるもので、この規定ゲーム数を増やせば増やすほど獲得枚数が増えていくというものになる。さらにリプレイ確率の高まるRTやMB(ミドルボーナス)といった機能が搭載されているため、通常時の平均回転数が比較的高い。なお、ARTタイプはATタイプよりも純増がやや低めで、1Gあたり2.0枚程度となっているものが多く、こちらもメダルを獲得するまでに時間がかかるようになっている。

A+ARTタイプは、ボーナスとARTで出玉を増やしていく機種のことで、ボーナスの獲得枚数はAタイプよりも少ない50~200枚程度で、ARTの純増も1.3~1.4枚程度になっている(ボーナス込みで約1.8枚)。このように出玉は少なめに設定されているものの、出玉獲得の契機がボーナスとARTの2種類となっているため、比較的遊びやすいスペックになっている。しかし、ARTに入れた上にボーナスを引かなければ大量出玉につながらないともいえるため、厳しいスペックであるともいえる。

スロットの時間効率


「スロットは当たっても当たらなくても時間がかかる」

スロットにはウェイトというものが設けられている。これは遊技回数を制限し、投資を抑えるための機能のことで、1ゲーム回すのに4.1秒かかるといわれている。つまり、1時間あたりの回転数はどんなに早くても878ゲームとなる。また、1ゲームあたりの最大払い出し枚数も15枚となっているため、メダル獲得にとにかく時間がかかる仕様になっている。

だが、メダルを入れれば確実に回る上に演出もスキップできるので、パチンコのようにヘソに入らない間や演出消化中などの時間のロスがない。終日回すのであればどっちもどっちといった形に収まるわけだが、個人的にはスロットは当たっても当たらなくても時間がかかるものだと思っている。

なお、Aタイプ以外のスロットは仕様上ヤメ時が難しく、当たったとしても規定ゲーム数を消化するのに非常に時間がかかるため、仕事帰りの時間のないときなんかに行くと、そのまま閉店コースもしくは閉店までに取り切れないといったケースに陥ることも少なくない。そのため、個人的には時間に余裕が無いときはスロットをするべきではないと思う。

パチンコとの比較


「スロットは技術が必要で難しいが、安心・興奮できるポイントが多い」

スロットは、一部の台を除いて大当たり時の目押しが必要になるため、パチンコよりも敷居が高い遊戯性になっている。また、通常時にも目押ししなければ取りこぼしてしまう小役があったり、押し順を間違えるとしばらく無抽選となるペナルティが存在する台もあるため、無知やミスによって出玉を削られてしまうポイントが結構多い。

その反面、スロットはメダルを入れれば確実に回るし、多くの機種には天井(必ず当選する回転数)も設けられている。そのため、パチンコと比べて大当たり抽選を受けられる確率は高いといえる(ちなみに、現行のスロットでは小役を取りこぼしたとしても、規定通りの大当たり抽選を受けられるといわれている)。

また、スロットは連チャンを重ねていかなければ大量出玉を期待できないものの、AT機やART機なんかで規定ゲーム数が大量に上乗せされた状態にあると、最低獲得枚数が予測できるなどの安心感がある。そういった部分では、パチンコよりも気軽にプレイできる気がする。

余談ではあるが、スロットには大抵フリーズ演出というものがあり、これを引くとその機種で最大の恩恵が受けれる。このフリーズ演出は滅多に引けない確率で発生するので、引いたときの自力感が強く、パチンコで全回転を引くよりも全然興奮できる。また、スロットには他にもプレミア役や押し順当選などもあるので、パチンコよりも興奮できるポイントが多い。

なぜハマってしまうのか?



ここではパチンコ・スロットにハマってしまう理由を考えてみようと思う。

遊戯性がシンプル


「パチンコ・スロットは最も簡単なゲーム」

パチンコは玉を弾いて穴に入れて大当たりを待つだけのゲーム、スロットはメダルを入れてレバーを叩いて大当たりを待つだけのゲームである。冷静に考えてみれば、数あるゲームの中でもこれほどシンプルで簡単なものはない。

そのため、ゲーム世代でない年寄りにもプレイできるし、大当たりが重なれば金銭的な見返りもある。そのシンプルな遊戯性がパチスロ・スロットにハマってしまう最大の原因なのではないだろうか?

どんな人でも当たりを引ける


「大当たりに差別なし」

僕がパチンコ・パチスロに依存してしまったのは、やはり大勝を経験してしまったことが原因である。大勝するということは、それだけ大当たりを引けているわけで、全く引けなかったのであればホールに通うことなどなかっただろう。

ホールに通うようになってからというもの、今まで多くの客を目にしてきたが、その顔ぶれは老若男女問わず多彩である。彼らもおそらく大勝を経験したから通っているわけで、大勝を期待しているからこそプレイしているのだろう。

なお、今までの経験上、パチスロ・パチスロの勝敗はその時の心身の状態とリンクしない。つまり、心身の状態が好調なときでも負けることはあるし、不調なときでも勝てることがある。よって、結果は打つまでわからないのだ。

こうした経験から推察するに、パチンコ・パチスロを打って当たりを引けない人などいないと思う。きっと、プレイヤーが聖職者であろうと大罪人であろうと差別なく平等な確率で当たることだろう。

当然、ホール側もリピーターを増やすためにそういう設定にしているだろうから、この差別なく大当たりを引けるというゲーム性が依存を助長させる原因の一つになっていると思われる。

プレイすることで見返りがある


「稼げなければハマらない」

そもそもパチンコ・パチスロをプレイするだけなら、わざわざホールに通う必要はない。

実機自体はゲーセンにも置いてあるし、ホールよりも高設定で打つことができる。また、中古ならば3~10万円程度で購入できるし、家に設置してしまえば好きな設定で打ち放題になる。

また、最近ではネットゲームやスマホアプリでもプレイできるようになっており、ネトゲなら月額1000~2000円、アプリなら1000円程度と、ホールで打つことに比べればコストも格段に安くなる。

それでも、ホールで打ってしまう理由は、やはり金銭的な見返りが期待できるからである。もし、法的な規制でホールが低貸専門にされたり、換金率が異常に下げられたりしたら、きっと客も離れていくことだろう。

逆に考えれば、そもそも「楽して稼ぎたい」といった心理のもとにプレイし始めるわけで、それなりのリターンがなければリスクを冒そうとする人も現れない。また、稼げるからこそプロと呼ばれる連中も存在しているわけである。

演出が感情を揺さぶる


「気がつけば演出の虜」

パチンコ・パチスロは、大当たり抽選時にその期待度を表す演出が流れ、その後に結果が示されるといった単純なゲーム性になっているが、昨今の演出は凝っており、多彩で刺激的な映像と音声に加え、台そのものが変形するといったものまである。

また、有名なドラマやアニメとタイアップした台なんかは、リーチ演出になるとフルCGで新たに書き下ろされた名バトルシーンが流れたり、大当たり中はその作品の名曲が流れる仕様になっている。さらに全回転やフリーズなどのプレミア演出を引くと、泣けるような名シーンが流れることもあるので、それだけで原作ファンは興奮できることだろう。

また、全ての台において、大当たり期待度の高い時にはプレイヤーが興奮できるような刺激的な演出が発生するようになっており、それが長時間続くとその日は演出が頭から離れなくなる。すると、後々その刺激に対する欲求が出てくるようになり、再びその刺激を求めてホールに向かってしまうというケースも往々にしてある。

つまり、パチンコ・パチスロの台には、そもそもプレイ依存を狙った演出が組み込まれているのだと考えられるわけだ。なお、こうした演出はYoutubeなどで検索すれば簡単に見つかるわけだが、PCやスマホを通して見るのと、実機を目の前にして見るのでは、やはり後者の方が激しく感情が付さぶられる。これはきっと演出を体感できているからなのだろう。

優越感が得られる


「勝てば周りに優越感」

ホールでのプレイに慣れてくると、どうしても周りが気になってしまうことになる。そんなとき、横の台が大当たりを引くとそちらに目が行ってしまうし、自分が大当たりを引くと横の人がこちらを見ていることが分かる。また、ひどい時には真後ろに立たれて大当たりの様子を傍観されていることもある。

しかし、自分が当たっているのであれば、そんなに悪い気分ではない。むしろ敗者に対する優越感すらある。また、換金した後にも気分上々でいつもよりも豪華な食事をとったりするし、ツレがいるときなんかは気分良くおごったりする。当然、勝った人におごられたという経験も多く、日常的にその自慢話を聞かされることも少なくない。

こういった形で大勝を経験してしまえば、他人に対してささやかな優越感が得られるわけである。ホールに通うような連中は日常生活の中で優越感を得られることも少ないだろうから、優越感が得られるという理由でパチンコ・パチスロに依存してしまうケースも考えられる。

メリット・デメリット


ここではパチンコ・スロットのメリット・デメリットを簡単にまとめてみようと思う。

メリット


・外出するきっかけになる:ホールに向かわなければ始まらないので、少なからず外出のきっかけになる
・ストレス発散になる:勝っても負けても多少の気晴らしにはなる
・話題のきっかけになる:プレイヤー間の話題に入っていけるようになる(上司が好きならば近づくきっかけになる)
・文章や映像のネタになる:ライター的な形で利用すれば小銭を稼げるネタになるかもしれない

デメリット


・浪費癖がつく:やり続ければ紙幣の価値を忘れて浪費癖がつくことが多い(大抵、金銭感覚が狂う)
・タバコ・ビールなどの消費が多くなる:のめり込むほど、酒やタバコで発散する癖がつく
・プレイ欲求によって集中力が落ちる:プレイ欲求が頭から離れなくなって、日常的に集中力が落ちる
・日常的に無気力・無感動になる:日常の出来事に対して心身のリアクションが薄くなる
・精神状態がプレイ結果に左右される:負けが込んでいれば、日常的にブルーになっていることが多い
・借金癖がつくことがある:生活費に影響するほど使い込むと、人や業者に借金をするようになる

詳しくは「パチンコ・パチスロ依存症になってみた結果(症状編)」の記事へ

まとめ


嗜むならメリット?ハマればデメリット?


実体験をベースにこうして色々とまとめてみたわけだが、どうやらデメリットばかりということでもないらしい。

考えつくメリットだけにスポットを当ててみれば、僕の場合、出不精の解消には役に立っているといえる。また、今までの経験上、企業の管理職クラスには依存している人が多く、有益な情報を出せれば上手く取り入って出世につなげられるとも考えられる。また、ブログやYoutubeなんかのネタにすれば小銭が稼げるかもしれない。

しかし、やはりデメリットが大きく、ハマりすぎれば心身的にも経済的にもダメージを与え、長期的に見れば人生にとって大きなダメージを残す結果になるかもしれない。少なくとも、今の自分にとっては良い影響は出ていないし、ハマったことでこれから抜け出すのに非常に苦労することになるだろう。

そういったことから、嗜むだけならメリットになるが、ハマってしまえばデメリットしかないと考えられる。

結局は時間のムダ


パチンコ・スロットのゲーム性をまとめてみると、それなりの出玉を得るためには非常に時間がかかることが分かる。それでも勝てているのであれば良いが、負けが込んでいれば取り返す時間も必要になるため、勝っても負けても相当な時間を費やさなければならない。時間に加えて金銭を浪費してしまえば、もはや地獄としか言いようがない。

それでも勝てている人が実在するのも事実なので「いつか自分にも勝つ日が来るだろう」と運否天賦に任せて打ち続けていても、きっと上手くいくことは稀だろう。なぜなら、プロを自称している連中は、まず台の知識を深めて期待値を計算し、ロスがなく出玉を増やせるような打ち方で打ち、店や日取りに関しても来店イベントなど高い営業割数に期待できる時にしか行かない。すなわち、家から近い店にしか行かないような素人とは立ち回りが根本的に異なるわけである。

また、今の新基準のスロット機には出玉制限がかかってうまみが無くなっているいるし、旧基準機も数年中の撤去が決まっている。さらにカジノ法案も成立してしまったので、これからはパチンコ・スロットへの規制はさらに高まるだろう。こうしたことから、現行のパチンコ・スロットが過去の遺物になってしまうことは明白であり、これに時間を費やすメリットはどんどん無くなっている。

こうした理由から、これか先を長い目で見れば「時間のムダ」でしかなく、この時間を別のことに費やした方が有意義な人生を送れると思うし、その間に浮いた金銭もきっと有効活用できることだろう。ちなみに、自分がパチンコ・スロットに依存する前と後を比較してみると、全てにおいて依存する前の方が有意義だったと言える。

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